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タダで楽しむ銀座(下)資生堂、INAX、企業のギャラリー頑張っています。天才建築家のあのビルも

2011/03/03 00:54

 

 2週間空いてしまったが、タダで楽しむ銀座の後編。行ってみよー。

 【ギャラリー編】

 銀座には企業のショールームが数多くある。ソニービルや日産ギャラリーなどが代表的だ。だが、自社の商品ではなく、美術作品などを展示する本格的なギャラリーも存在するところが銀座らしい。

 向かったのは8丁目の資生堂ギャラリー。ここは1919年、「陳列場」として、後の資生堂初代社長となる福原信三によって開設された。途中、関東大震災や太平洋戦争などで休止したことはあったが、現在まで連綿と続く90年以上の歴史を持つギャラリーだ。

 現在の建物は2001年に建てられた東京銀座資生堂ビルの地下1階にある。上階には資生堂パーラーなどがあり、食事やスイーツも楽しめる(ここはタダではありません)。

 現在、「shiseido art egg(シセイドウ・アート・エッグ)」展が開かれている。公募で出展者が決まるこのプログラム、今年は261件の応募があったそうだ。

取材日は、今村遼佑さんの「ひるのまをながめる」が行われていた(2月27日まで)。

 がらんとしたギャラリー。一瞬、「今日は休みかな」と思ってしまうが、実はあちこちに仕掛けがある。床の上の円盤が突然浮き上がったり、どこからともなく「コツコツ」と音が聞こえてきたり。

 よく見ると円盤は、天井から糸でつるされており、糸はさらに壁にあるオルゴールのドラムにつながっている。これ以上書くとネタばらしになってしまうが、日常の中にある感覚や現象が現実なのかどうか、その境界に見え隠れする風景を表現しているそうだ。

 そこまで難しく考えなくても、仕掛けを探すだけでも楽しい。

 1月は藤本涼さんの写真を使った作品、3月(4~27日)は川辺ナホさんのビデオ作品が登場する。「期せずして、事実は本当に事実なのか、と現実と虚構の問題を問うような3人の作品が選ばれました」と学芸員の森本美穂さん。年配の人にも、面白かったと評判だそうだ。

 もうひとつお薦めは、銀座をはみ出てしまうが、INAXギャラリー(中央区京橋)。こちらも本格的な展示が見られる。

 ギャラリー1では、3月3日からは「にっぽんの客船 タイムトリップ展」と題して、戦前、世界一周航路をとった「あるぜんちな丸」(大阪商船=現商船三井)と、東京と伊豆諸島を結んだ「橘丸」(東京湾汽船=現東海汽船)を取り上げる。写真や模型、レストランメニューなどを展示し、当時を追体験してもらおうという企画だ。なお、現在は同じ建物のガレリアセラミカで「田中礼展 -陶彩の宴」が開かれている。

 どちらもすごいのは、企業のPRとは全く関係ない点だ。もちろん、イメージアップという意味はあるが、直接利益につながるものではないし。

 【建物編】

 銀座には高層ビルも1000年を超す寺院もない。だが、常に注目される建物が建てられてきた。そのいくつかを紹介しよう。

 まず、数寄屋橋公園のそばにある中央区立泰明小学校。開校は明治11年だが、関東大震災で焼失、昭和4年に鉄筋コンクリートで再建された。「表現主義と呼ばれる建築様式の建物で、カーブを描く壁面やアーチ窓等を使った外観に特徴がある。L字型校舎の南端に位置する玄関部分には、柱や入口庇等に個性的な装飾が集中して施され、建物の顔となっている」と入り口そばの銘板にある。平成11年には東京都の歴史的建造物、平成21年には経済産業省より近代産業遺産に選ばれた。ちなみに、島崎藤村や北村透谷が卒業した学校としても有名だ。

銀座の南東のはずれ、築地に近い8丁目にあるのが、中銀カプセルタワー。4年前の都知事選に立候補・落選した建築家、黒川紀章さんの設計。1972年に完成した。

 1960年代、黒川さんらが中心となった「メタボリズム」(太っているということではなく、正しい意味の新陳代謝)という運動があり、都市は人口や生活に合わせて成長するべきだ、と主張した。それを具現化したのが、このタワーだそうだ。ひとつひとつが独立したカプセルになっており、必要に応じて増やしたり、交換したりするという構想だった。

 1階にそのカプセルが1つ置いてあり、中をのぞけるようになっている。室内は幅2・3メートル、奥行き3・8メートル、高さ2・1メートル。ここに、据え付けのベッドやテレビ、ユニットバスなどがあるが、洗濯機は置けないそうだ。

 黒川さんの理想と思想が結集したような作品だが、半面、窓も開かず、息苦しい感じは否めない。とはいえ、理想のためにここまでやってしまう、やはり天才である。

 建て替え問題などいろいろと言われているが、ル・コルビュジエの作品を世界遺産にしようと運動するなら、これも世界遺産でいいのではないか、と言う気もする。

 もう一つ、まるで自分の目がおかしくなったかと思うのが、ぐにゃりと全体にゆがんだデビアス銀座ビル。ダイアモンドのブランド、デビアスだ。2008年の完成。中は怖くて?入れないが、3年経っても注目が絶えないビルだ。設計は光井純さん。

 ということで、歩いてきましたがそろそろ、お疲れの頃。最後は銭湯で汗を流しましょう。どこにあるかって?。それは自分で探してみてください。(慶田久幸)

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: ライフ・カルチャー

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コメント(2)

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2011/03/03 11:19

Commented by nihonhanihon さん

アートびっしりでこういう見方での探訪も面白いですね。

 
 

2011/03/08 00:41

Commented by マニアック街道取材班 さん

いつもご愛読ありがとうございます。今回はちょっと嗜好を変えてみました。
銀座でほかにもニコンのギャラリーなどいくつもあるので、ぜひお越しの節はどうぞ。

 
 
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